Syunikiss ~二度目の哀悼~
作詞:Gackt作曲:yu~ki お気に入り度:★★★★★
歌詞
somebody... help us...
Ah... 君が繰り返す独り言は君の最期に僕が叫んだ言葉
祈りが届いたのか・・・目の前に記憶のままの君がいる
Ah... 君が繰り返す独り言は誰も知るはずもない最期の言葉
駆け寄った僕は君を抱き震える指で頬をなぞる
Ah... 僕の願いを叶えてくれた空に宿る主へ
もう一度願いを叶えて・・・「彼女に心を戻して」
冷たい瞳で空を見つめてる
帰るべき場所を知っているかのように
Ah... 僕の願いを叶えてくれた空に宿る主へ
もう一度願いを叶えて・・・「彼女に心を戻して」
Ah... 僕の願いを叶えてくれた空に宿る主へ
最期の願いを叶えて・・・「彼女を安らかに眠らせて」
冷たい指で涙の跡をなぞる
震える声で「空に返して・・・」と繰り返す
管弦楽で構成されたクラッシック調の楽曲
※アルバムの厳密な1曲目は「de merveilles」ですが、イントロであり、本楽曲に付属するパートと解釈できるので「de merveilles」を含む一つの作品として感想を書いていきます。
長い導入部(de merveilles)
不気味な足音から導入部が始まります。ドアを閉める音、こつこつと靴が地面を鳴らし、どこからともなく電話の呼び出し音が聞こえてきます。誰かが屋内の廊下を歩いているのでしょうか。もう一度ドアの開閉の音が鳴り、どうやら何者かが部屋に入ったような雰囲気を醸しながら導入部が終わります。
MALICE MIZERのテーマの集大成か
「Syunikiss」非常にストーリー性を感じさせる歌詞です。「Syunikiss」という英単語はなく、どうやら「主に帰す」をローマ字(但し、帰すはキス(kiss)と表記)で表現したようです。
管弦楽器で演奏される重厚なメロディーはロックというよりもクラッシックというべき曲調です。
歌詞中の「彼女」は、「僕」が愛していた女性なのでしょう。しかし、既に亡くなっている、恐らくその死には彼が関わっていたと思われます。その彼女があろうことか再び自分の目の前に姿を現した。どうやら彼が崇拝する何者かが彼の願いを聞き届けてくれたようです。
願いが叶った!
しかし、彼女の心はよみがえってはいなかった。最期の瞬間に彼が投げかけた言葉を独り言のようにつぶやくだけの存在として、その身体のみがよみがえった。
その現実を目の当たりにして、初めて彼は思い知らされたのでしょう。彼の主は確かに願いを叶えたのです。きわめて正確に。彼は彼女を愛してはいなかった。彼の中にあったのは、己の欲望のみだった。
もたらされた悲劇の顛末は、主の悪意だったのか、彼自身のものだったのか。というような物語でしょうか。
解釈の仕方はいろいろあるだろうと思いますが、私にはこの作品こそがMALICE MIZERの名前を成す「悪意」と「悲劇」という言葉を最も体現した作品となっていると考えてます。
作曲者はyu~ki
この楽曲は、音源としてリリースされた中で唯一のyu~kiの作曲です。そういう意味でも大変興味深いですね。MALICE MIZERといえば、顔役となった二代目ヴォーカルのGackt、次いで創始者のmanaとk?ziが前面に出る一方、yu~kiは発言も少なく、あまり目立ちません。そんな彼が紡ぎだした世界観が、実は最もMALICE MIZER敵であったというのが面白いです。
もっとも作詞はGacktではありますが、Gacktは作詞するにあたって、自分をティーパックのフィルターに例え、作曲者から創作に込められた思いを忠実に抽出するという趣旨のコメントをしています(ソースは忘れましたが、SHOXXかFoolsmateの記事だったはずです)。そういう意味で、Syunikissの世界観はyu~kiのものと解釈するのは、必ずしも行き過ぎた解釈ではないと思ってます。
ライブ動画