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麗しき仮面の招待状

MALICE MIZER第II期の幕開け

MALICE MIZERの顔ともいえる2代目ボーカル、Gackt時代の幕開けとなるシングルです。初代のTetsuが脱退したのち、しばらく充電期間に入ったMALICE MIZERでしたが、Gacktの加入によって、人気・知名度を急増させていきました。

このシングルは、そんな新生MALICE MIZERのスタートを切るものでした。しかし、リリース当時はまだ黄金期とは言えるものではなく、Tetsu時代のファンとGackt時代のファンの確執があったり、対バン目当ての客に邪魔をされたりなど、なかなか多難な時代だったようです。

ヨーロッパ趣味がより色濃く

ゴシック趣味はMALICE MIZERの一貫したスタイルですが、ロック色が強かった第I期から路線を変え、ヨーロッパ趣味の傾向をより強めていったといえます。1曲目の「麗しき仮面の招待状」はクラシック色の強い曲調であり、カップリングの「APRES MIDI ~あるパリの午後で~」は現代風のポップスで、フレンチポップスを意識したと思われます。いずれもギターやドラムが控えめになり、ロックテイストは薄れています。

新参ながらGacktは、ManaやKoziのチャレンジングな楽曲や演出を嫌がることなく、むしろ積極的に受け入れ、演じ切りました。通常のロックバンドではありえないような挑戦が多々あったようですが、このようなGacktの柔軟な姿勢は、作曲を担う二人の表現の幅を広げることにつながったと考えられます。

視覚的・演劇的要素を重視し、あえて演奏をしない舞台演出といったMALICE MIZER独特のスタイルもこのころから形になってきたと思われます。こうした挑戦が奏功し、第 II 期のMALICE MIZERは第 I 期とは異なる世界観を作っていくことになります。