GROTTESCCA
作詞:Közi作曲:Közi お気に入り度:★★★★
歌詞
切りきざみ切り刻んでも決して破壊されることはない
その存在だけで意味をなし 増殖し繰り返す
総て飲み込み無意味をなし 結合して廃墟と化す
光と闇が鬩ぎあうように もはやキミと同化する逆説
輪郭も人格もすぐに 見失う無秩序の幻想
その存在だけで意味をなし 増殖し繰り返す
総て飲み込み無意味をなし 結合して廃墟と化す
I must be my imagination. But it’s just as I imagined.
I fall into the destination. Metaphysical. 影狂い
Behind分裂の弥縫 Stabbing the eyes.
Grottesca・・・ Explain it to me.
Grottesca・・・ Deus ex machina.
Grottesca・・・ God only knows.
Grottesca・・・ Grottesca
謎めく世界観
ギターが前面に出た普通にロック調の曲です。
しかし、歌詞は・・・非常に難解で、解釈に困る内容といえます。。Köziはこの曲で何を表現したかったのでしょうか。
新たな表現世界の追求か
歌詞を咀嚼すると、本作品はISMのテーマをさらに掘り下げたものではないかと思えてきます。
MALICE MIZERで完成させた自分のスタイルを壊し、新たな表現の在り方を追求する。「歪みもつれた完璧な表情」とは、自身に内在する表現世界のイデアかもしれません。
しかし、その世界に自分の意識がまだ到達できていないため、必死の試行錯誤でそこに近づこうとしているように見えます。
いろいろな表現世界の妄想が膨らみ、膨らんでは形にならずに消えていく。
「意味をなし/無意味をなし」、「増殖し繰り返す/結合して廃墟と化す」の対比はそんなKöziの思考の渦を表現しているのではないでしょうか。
"Stabbing the eyes."はISMの歌詞の「眩んだ目も潰してみればいい」に通ずる言葉です。
manaに影響を与えた重要なキーワード
この作品はかなりmanaに強い影響を与えたように思えます。Köziが歌詞に用いた"Deus ex machina"という言葉は、そのままmanaの作品のタイトルに用いられています。("metaphysical"も用いられました。)
"Deus ex machina"は直訳すると「機械仕掛けの神」というような意味になります。古代ギリシアで発達した演劇の中で生まれた言葉で、クレーンで役者を吊って空を飛ぶような派手な演出を伴う一連の表現を指します。
多くはストーリーの起承転結の締めに据えられますが、見た目の派手さに頼り、脈絡なく話を完結させるような側面があり、古くはアリストテレスが「褒められた解決策ではない」と批判しています。現代風に言えば、「夢オチ」で無理やり話を終えるような展開に相当します。日本の作家でも、手塚治虫が独善的な手法で禁忌とすべきという見解を示しています。
なぜ、Köziはこの言葉を使ったのでしょうか。捉えどころのないイデアの一側面をそう表現したのかもしれません。
"Deus ex machina"は後に、ナイトメアやマジカル・パンチラインの作品タイトルとしても登場します。決してメジャーな言葉とはいえないこの言葉がこうも登場するのは、Köziが歌詞に用いたことがルーツになっている可能性も考えられます。