le ciel ~空白の彼方へ~
作詞:Gackt作曲:Gackt お気に入り度:★★
歌詞
流れ落ちる真っ白な涙が風に吹かれ時間を刻む
僕を見る汚れを知らない瞳は
果てしなくどこまでも続く大地を映し
小さな指で忘れかけていた僕の涙の跡をなぞる
君の細く透き通る声が僕を離さない
僕がここに居続けることは出来ないのに・・・
Ah...こぼれ落ちる涙はお別れの言葉
何も聞かず、ただ僕の胸に手を当てて微笑を浮かべ
君の頬に口づけを・・・僕は君を忘れない
もっと強く抱き締めて僕が空に帰るまで
君の細く透き通る声が僕を離さない
もっと強く抱き締めて僕が消えないように・・・
僕が消えないように・・・
メジャー期最後のシングル
メジャー期シングルの第5弾です。前作のILLUMINATIと違い、アルバム版とタイトルの区別をつけていませんが、曲はアレンジされています。ピアノやヴァイオリンが追加され、装飾が増えてます。
第II期崩壊直前のいわくつきの作品
「le ciel」MALICE MIZERでGacktが作曲した唯一の曲です。第II期の末期は、Gacktと事務所、他の4人のメンバーの間の亀裂が表面化し、最終的にはGacktの失踪という形で第II期は終わりを迎えることになります。
このシングルが出るころには既にメンバー間の亀裂は修復できない状況にあったようです。このシングルを出すか否かについては、メンバー間で議論があったようです。
あるヴィジュアル系雑誌のインタビュー記事で、Gacktは、あるメンバーの「出せば、いいじゃない。あいつら(ファンのこと)どうせ買うし。」というような発言を受け、怒りを覚えたというようなことを語っています。誰の言葉か、ということは触れていませんが、対立の構図を考えると、Gackt以外の4人は、多少なりとも否定的な意見を持っていたかもしれません。
アレンジに手抜きはない
問題をはらんだCDではありますが、そのような状況下でも、作品が投げやりな仕上がりとなっているわけではありません。arrengementは、MALICE MIZER、Yohei Shimadaとなっています。
この曲を聴く時、残念ながら私は、曲を楽しむというよりは、この完成度は誰の手によるものだったのか、の方が気になってしまい、純粋に楽しむことができません。manaやKöziが編曲に尽力できたのか、Gacktがほとんどを手掛けたのか、島田氏が対応したのか。
le cielにもPVがありますが、シングルの曲はアルバムに比べ、よりPVの映像に近いイメージとなっていると感じます(実際、PVの音はシングルのものとなっている)。世界観の完成度は高くなったと言えますが、その世界観は、MALICE MIZERの目指したものと言うよりは、Gacktの世界観のように感じられます。
MALICE MIZERの世界は誰のものか
manaとKöziには、MALICE MIZERという世界を作ってきたのは私たちだという自負があったと思います。そんな彼らが、自分たちの創った世界がGacktのものになっていく、そんな状況をどう捉えたか。
一方、Gacktとて、一人のアーティストであり、mana、Köziのスピーカーであるわけではありません。彼が、自身の創作を生み出すことを否定する権利は、誰にもありません。
なぜ、manaとKöziという二人の創作者が、世界観を共有し、続けてこられたものに、Gacktの創作が円満に加われなかったのか。これは、当事者にしかわからない問題かもしれません。